車のハンドルはなぜ丸い

乗り物には、いろいろなハンドルがあります。自転車、ヘリコプター、飛行機、電車、すべて違います。

 

現在、自動車のハンドルはすべて丸くなっています。たとえ、子ども用の足でこぐ自動車であっても丸ハンドルです。

 

これはいったい、どういう理由からなのでしょうか。

 

もちろん、丸ハンドルのほうが、両手で支えやすいので、からだが安定するということはあります。しかし、それだけの理由からではありません。

 

実をいうと、初期の自動車は丸ハンドルではなかったのです。

 

自動車第一号といわれるニコラスーヨセフーキュノーの蒸気自動車のハンドルは、自転車のハンドルの片一方だけを前車輪につけたようなものでした。もちろん、三輪車です。

 

当時としては、四輪車にみあったハンドルを開発するのはまだ無理だったのです。

 

その後、四輪馬車の仕組み(前車輪の車軸の中央に心皿という回転台をとりつけ、自由にまわれるようにした。この前車軸と馬の舵棒とを連結しておくことで、馬の進む方向に前車輪がついていく)を応用して、四輪自動車がつくられました。つまり、前車軸そのものがよかろわけです。

 

もちろん、失敗です。

なぜなら、前車輪の一方が小石に乗り上げたりして衝撃を受けると、前車軸もよわってしまい、思わぬ方向に車が走ってしまうからです。

 

馬車では、舵棒の指示によって、馬が引っ張るのでこんなことは起きなかったのです。